研究課題/領域番号 |
11559010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 千束 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
菊池 紀洋 株式会社 DJKリサーチセンター, 所長
田端 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
溝口 明 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90181916)
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キーワード | ACL / detergent処理筋線維 / L-lactic acid caprolactone / 末梢神経 / 移植 / うさぎ坐骨神経 |
研究概要 |
1.羊膜の細胞外マトリックス(基底膜とそれに付随するコラーゲン等)を薄膜状に加工したもの(ACLとよぶ)を末梢神経再生のガイドとして用いた。ACLは薄いため扱いにくいので、5-6層に重ねてチューブを作り移植に用いた。ラットの坐骨神経で1-2cmの長さのチューブを移植した。内径の大きさ、補強剤などを変えた13種類のチューブをつくり、その効果をみた。その結果内径1-2mmで5-7層に重ねたチューブが最も有効であることが分かった。ACLの表面にはマクロファージなどは少なく異物として反応は少ないようである。この材質は神経再生に限らず、細胞の移動、増殖の足場をつくるという点からも注目されると考えられる。 2.detergentで処理した筋線維を移植した。ラットでその有効性を確認し、うさぎで5cmの長さの移植で6ケ月まで観察した。組織学的にも電気生理学的にも再生軸策が前脛骨筋あるいは下髄三頭筋を再支配していることが分かった。筋線維の基底膜のチューブでも十分に再生軸策のガイドとして機能することが明らかとなった。 3.L-lactic acid caprolactoneの集合体のチューブを移植に用いた。この素材は比較的異物反応が少なかった。この人工素材を直接ガイドとしてではなく、detergent処理筋線維の被覆材として用いると有効であることが分かった。
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