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2000 年度 実績報告書

大きな神経欠損の修復を可能にする人工神経チューブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11559010
研究機関京都大学

研究代表者

井出 千束  京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)

研究分担者 菊池 紀洋  (株)DJKリサーチセンター, 所長
田端 泰彦  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
溝口 明  三重大学, 医学部, 教授 (90181916)
キーワード細胞外物質 / 基底膜 / 骨格節 / 移植 / 末梢神経再生 / 羊膜 / 人工移植材料
研究概要

末梢神経の再生は良好であるが、臨床的には移植材料の問題がある。従来、自家移植が用いられているが、これには採取できる神経の長さに制限があり、また採取部位に残る障害が患者を悩ませるという欠陥がある。人工的な移植材料はその欠陥を埋めるために研究されている。
我々はまず細胞の基底膜のような細胞外物質の有効性を明らかにした。はじめはシュワン細胞の基底膜で、次には骨格筋の基底膜でその有効性を確かめている。特に骨格筋の基底膜が有効であるという結果は、広範囲な自家移植を可能にする点で有意義である。本研究では、detergentで骨格筋を処理して、細胞外物質のみとした組織材料を得る方法を用いた。Detergent処理骨格筋(5cm)を移植片として兎の坐骨神経に移植した。4ヶ月後に形態的および電気生理学的に調べたところ、いずれも再生神経が標的の筋にまで到達していることが明かとなった。この結果は骨格筋が臨床的に自家移植として使用できる可能性を示したものである。
人の羊膜からとった細胞外物質は既に特許の取られている材料で、本研究ではそれが神経再生のための移植材料として有効か否かを調べた。その結果、この材料をチューブ状に加工することによって、かなり有効な移植材料とすることが出来ると分かって来た。これからは加工方法に改良を加えることによって、再生を促進する移植材料を得ることが可能である。この材料は、自由に加工できるという点で特徴的である。
一方、ジェラチンのような全く生体材料を用いない人工素材による再生をも調べたが、これらは先の細胞外物質から加工された再生材料よりも有効ではないと考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mligilische,N. et al.: "grafting of detergent-denatured skeletal muscles provides effective conduits for extension of regenerating axons in…"Arch.Histal.Cytol.. 64. 29-36 (2001)

  • [文献書誌] Okajima,S.,Shirasu,M. et al.: "Ultrastructural characteristics and synaptophysin immunohistochemistry of regenerating nerve growth cones…"J.Recourtruct Microsurg. 16. 637-642 (2000)

  • [文献書誌] Kataoka,K.,Suzuki,Y. et al.: "Alginate, a bioresorbable material derived from brown seaweed, enhances elongation of amputated axons..."J.Biomed.Mater.Res. 54. 373-384 (2000)

  • [文献書誌] Mligilische,N.,Ide,C.: "Nerve regeneration through detingent-trented skeletal muscle grafts"Peripheral Nerve. 10. 79-87 (1999)

  • [文献書誌] Mligilische,N.,Tabata,Y., et al.: "Peripheral nerve regeneration through a long detergent-denatured antagraft in rabbits."Neuro Report. (印刷中).

  • [文献書誌] 岡島誠一郎,井出千束 他: "臨床医のための末梢神経損傷・障害の治療(平澤泰介 編)"金原出版. 17 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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