研究概要 |
1.客観テストと自己評定成績の高い相関の発見 これまで,学習者の各英単語に対する学習到達度の自己評定を最も基本的なデータとして各種分析を行い,自己評定成績の上昇率が学習時間と相関すること,自己評定成績の上昇の程度に大きな個人差があることなど,様々な事実が明らかになってきた.本年度は,この自己評定値データが,別途収集された客観テストの成績と相関するか否かを中心に検討した.その結果,両者にかなり高い相関が認められることが明らかとなった.客観テストのデータが少ないこともあり,今後データの蓄積を急いでいる. 2.インターネットを経由した学習データ収集と到達度情報のフィードバックシステムの開発 本年度最も時間を費やしたのがこのシステムの開発である.4月より利用できる状況になった.当初の予定を越えて開発に時間がかかった理由は,インターネットにより個人情報の漏洩の危険性が明らかになったためである.一切の個人情報をインターネットに流さないデータベースシステムを構築した(現在運用実験中).データの流れは,学習者の各種反応データが任意の端末からサーバ(大学)へ送信される.サーバはその個人の学習データを継続的に記録・分析し,学習到達度と予測を個人ごとに描き出す.同様に複数の学習者のデータから一般的な予測関数も描き出し、両データを別途Webサーバのホームページにアップし,そのURLをメールとして学習者へ送信する.学習者は受け取ったメールから,自分のURLを開き,自分の到達度データをいつでも参照できる.このシステムの完成により,任意の学習者のデータ収集とフィードバックを自動化することが可能になる. 3.英単語データベースの作成 全国の15国立大学の大学1年生を対象に英単語の調査を実施した.各大学の協力教官に授業時間に調査用紙を配布してもらい,1,000名(年確な人数は未確定)をこえる学生に,約100英単語についての,熟知度,日本語訳の確認をそれぞれ行ってもらった.現在,4月から実施予定の実験に向けて,新たな単語の抽出浩を検討中である.
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