研究課題/領域番号 |
11559014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
道端 齊 広島大学, 理学部, 教授 (00111740)
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研究分担者 |
植木 龍也 広島大学, 理学部, 助手 (10274705)
宇山 太郎 広島大学, 理学部, 講師 (60232914)
金森 寛 富山大学, 理学部, 教授 (00019001)
広津 孝弘 工業技術院四国工業技術研究所, 海洋資源部・生物材料研究室, 室長
大井 健太 工業技術院四国工業技術研究所, 海洋資源部・分離工学研究室, 室長
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キーワード | レアメタル / 金属イオン / 海水 / 選択的分取 / 吸着剤 / ホヤ / バナジウム / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
海水中にはバナジウムやコバルト等わが国ではほとんど産出しない希少金属(レアメタル)が溶解している。これまでに化学的に合成された吸着剤を用いて、これらのレアメタルを海水から捕集する試みは数多くなされてきた。しかし、海水には多くの金属イオンが溶解しているため、目的のレアメタルだけを選択的に分取するのは必ずしも容易ではない。 一方、研究代表者のグループはホヤが海水のバナジウム濃度の1,000万倍(107)ものバナジウムを高選択的に濃縮することに着目し、その濃縮機構を解明する研究を行ってきた結果、最近バナジウムと高選択的に結合する12.5kDaおよび15kDaのバナジウム結合タンパク質(VAPs)をコードする遺伝子をクローニングすることに成功した。 そこで本研究では、1.このバナジウムと高選択的に結合するホヤ由来のVAPs遺伝子のクローニングをさらに進め、その機能を具有する人工タンパク質の合成を行う、2.また、このタンパク質の特異的金属結合部位の配位状態を化学的に調べ、これを応用した新たな高性能金属吸着剤の開発をめざす、3.本研究で新たに開発した吸着剤の性能を、既存のアミドキシム基を有する吸着剤などと比較し、新たな高選択的・効率的分離プロセスの構築をめざす。 本年度は1.人工タンパク質の合成に成功した。15kDaと16kDaのVAPについては、cDNAのコード領域をPCRによって増幅し、マルトース結合タンパク質(MBP)を発現するpMAL-cベクターに挿入して発現プラスミドを構築した。この発現プラスミドを大腸菌TB1株に導入し、VAPとMBPとの組み換えタンパク質を合成した。さらに、MBPと親和性を持つアミロースレジンによって組み換えタンパク質を精製し、バナジウムとの親和性を調べる実験系を構築することができた。
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