研究課題/領域番号 |
11559015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 昇 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
寺岡 靖剛 長崎大学, 工学部, 教授 (70163904)
上村 裕一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30211189)
三浦 則雄 九州大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (70128099)
国元 晃 株式会社リケン研究開発部, 主任技師
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キーワード | 亜酸化窒素 / 半導体ガスセンサ / 固体電解質ガスセンサ / 分解除去触媒 / 医療用 / 麻酔ガス / 温室効果ガス / 監視・除去システム |
研究概要 |
亜酸化窒素(N_2O)は、大きい温暖化係数をもつ温室効果ガスであり、オゾン層破壊物質でもある。N_2Oは、手術室において全身麻酔薬として使用されているが、後処理されることなく大気中に放出されており、N_2O監視システムも普及していない。 本研究では、N_2Oの高性能分解除去触媒と高感度で信頼性の高いN_2Oセンサを開発し、それらを要素技術とした「医療用亜酸化窒素監視・除去システム」の開発・実用化を目的とした。 1.N_2Oセンサの開発 混成電位方式のセンサと半導体型のセンサを中心に検討を行った。まず、混成電位方式では、固体電解質として安定化ジルコニアを用い種々の酸化物電極のN_2Oに対する応答を調べたところ、酸化スズを用いた場合にのみN_2Oに対する応答が得られることを見出した。 一方、半導体型では、代表的な4種類のセンサ材料でN_2Oに対する応答が得られたが、感度、応答速度および安定性から考えて、SnO_2が最もベース材料に適していることが明らかとなった。また、SnO_2に第二成分としてSrやPrなどを添加すれば、さらにN_2O感度が増大することを見出した。 2.N_2O分解触媒の開発 本年度は、触媒材料探索について集中的に検討を行った。 種々の担持貴金属触媒について検討を行った結果、貴金属としてはPdが低温でも高いN_2O分解活性を有することを見出した。N_2O分解活性は、担体の種類に大きく依存し、Al_2O_3がゼオライトやその他の金属酸化物より優れた担体であることを見出した。また、分解活性は触媒の調整法にも大きく依存し、Pdが高分散したPd/Al_2O_3は、転化率のN_2OおよびO_2濃度依存性が小さく極めて高活性であることを明らかにした。 3.医療現場におけるN_2O汚染の実態調査とデバイス、システムの設計 N_2O汚染の実態を現有の麻酔ガス測定装置で測定検討し、センサ、触媒の作動条件設定ための基礎的知見を得るとともに、N_2OセンサデバイスおよびN_2O除去触媒プロセスからなるシステム設計指針を得た。
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