研究課題/領域番号 |
11610007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 太郎 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50239571)
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研究分担者 |
杉山 直樹 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (50274189)
伊東 道生 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50232476)
吉永 和加 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20293996)
松田 克進 広島修道大学, 人文学部, 助教授 (00309618)
米虫 正巳 関西学院大学, 文学部, 専任講師 (10283706)
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キーワード | フランス啓蒙 / 動物の魂 / ビュフォン / コンディヤック / ルランジュ・ド・リニャック / クーザン / スピリチュアリスム / エクレクティスム |
研究概要 |
今年度は共同研究を立ち上げる初年度にあたり、三回の研究会を開催し、以下のような報告と、それを踏まえての討議が行われた。 第一回研究会(1999年6月19日、大阪大学)では、望月太郎が報告「『動物論』とその周辺-ビュフォン,コンディヤック、ルラルジュ・ド・リニャック-」を行い、動物の魂という問題を機軸に唯物論者から護教派までにわたって配置される、1750年代フランス哲学界における啓蒙〜反啓蒙諸家の布置の態様を提示した。 第二回研究会(1999年9月4日、大阪大学)では、伊東道夫が報告「知の制度化-1830年代までにおけるフランス哲学界へのドイツ観念論導入-」を行い、フランス革命以降〜19世紀前半、カントやフィヒテの哲学が、どのようにフランスの政治的・思想的状況に呼応するかたちでフランス哲学界に受容され、またロワイエ・コラールやクザンがスピリチュアリスムを擁護する際に肯定的/否定的意義を持ったかを明らかにした。 第三回研究会(2000年2月5日、東京農工大学)では、研究協力者として村松正隆氏(東京大学)を招き、同氏が報告「哲学と秩序創設の試み-ヴィクトール・クザンを中心として-」を行ない、クザンにおける哲学のイメージ、「常識」という論点、心理学、教育制度論、反科学主義を詳らかにした。 各研究会を通して、啓蒙/反啓蒙の対立が革命/反革命の対立へと変容し、また「中道」として哲学が制度化される過程が詳らかになりつつあるが、その連続性を跡付けるにはさらに事実の細部に立ち入った検討が必要になる。
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