研究課題/領域番号 |
11610007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 太郎 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50239571)
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研究分担者 |
杉山 直樹 徳山大学, 総合科学部, 助教授 (50274189)
伊東 道生 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50232476)
吉永 和加 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20293996)
松田 克進 広島修道大学, 人文学部, 助教授 (00309618)
米虫 正巳 関西学院大学, 文学部, 助教授 (10283706)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | フランス啓蒙 / デカルト主義 / 哲学史 / 動物論 / メーヌ・ド・ビラン / ラヴェッソン / モナドリジー / エクレクティスム(折衷主義) |
研究概要 |
本年度は予定された研究期間の最終年度にあたり、これまでの研究を総括し報告書を作成した。 報告書の内容は以下の通りである。 第1部-デカルト主義の変容と啓蒙・反啓蒙の対立構造:1.デカルト説の変容過程におけるラ・フォルジュの位置付け(松田克進)、2.『動物論』とその周辺-啓蒙と反啓蒙、相克と布置の形成(望月太郎)3.ルソーの中の啓蒙と反啓蒙(吉永和加)、第II部-エクレクティスムと「哲学史」:4.折衷主義と哲学史(伊東道生)、5.メーヌ・ド・ビランとライプニッツの影-フランス哲学史におけるモナドロジーの系譜についての序説(米虫正巳)、6.反啓蒙のロジックについて-ラヴェッソンの事例から(杉山直樹)、第III部-政治の場に映る啓蒙:7.政治の場に映る啓蒙-「代表」の戯れとしてのクーザン哲学(村松正隆)8.トクヴィルと啓蒙(細見和志) 以上の論考により、第一に、1740年代以後、ニュートン主義がアカデミーを席巻し、いわゆる啓蒙思想家たちが社交界で活躍するなかで、コンディヤックに端を発する感覚主義とイデオロジーの運動が隆盛する、その一方で、デカルト主義が大学で公認された正統派哲学の地位を得て行く、そのような平行する過程において啓蒙と反啓蒙の対立構造が次第に形成されたこと、そしてその構造化の過程にあって対立を生み出す諸々の論点とそれらを繋ぐ文脈の解明が成された。第二に、1830年代以後、エクレクティスムが、一見、諸傾向の対立を和解させる、その一方で、「中道」を自称する、この思想が、その後の大学における哲学研究の拠り所となる「哲学史」を創設し、また国民国家の公教育の理念と結合して哲学を国制化した事実と、啓蒙思想に固有の「理性」が、革命後、エクレクティスムの「理性」に回収されていく、そのような政治の場に映し出された「理性」の変貌の様相が明らかになった
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