研究概要 |
本研究は、後期中世哲学における「存在」esseの意味を、現代の分析哲学の解釈およびそれに触発された古代哲学における「存在」einai概念の見直しという文脈の中で再検討しようとするものである。今年度の研究実績は以下の通りである。 1) 国内では上智大学中世思想研究所、外国では英国ロンドン大学ウォーバーグ研究所、ケンブリッジ大学図書館、ベルギー・カトリック・ルーヴェン大学哲学高等研究所において、中世の言語哲学関連の未収集文献(R.Pasnau,N.Kretzmann,S.F.Brown,M.M.Adams,J.A.Aertsen,E.J.Ashworth,S.Dumont,S.Ebbesen,S.MacDonaldなど)を集めた。 2) 上記の文献を読解し、そのポイントを邦訳して、コンピュータに入力しデータベース化した。 3) 外国の研究協力者(英国ケンブリッジ大学 J.マレンボン博士等)とのディスカッションを通じて、研究課題の深化をはかった。 4) ガンのヘンリクスの存在論に関連する論文を執筆した。
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