本研究は、これまで解明して来た「古代中国における五惑星の政治学」の研究成果を踏まえ、歴史書に最も多く記録される彗星と流星の「予言」を整理することによって、漢代社会を席巻した災異思想に新たな局面を切り開くことを目的とする。十月末の追加採択の通知があった後、、直ちに以下の事を実施した。 1.『史記』・『漢書』・『後漢書』・『三國志』・『晉書』の彗星・孛・流星の記録を抽出してコンピューターに入力し(設備備品・消耗品費・研究補助謝金)、その記録の全体像から推論(五惑星の場合と同様、『後漢書』から加速度的に多くなる)が間違っていなかったことを確認した。 2.中国古代天文学を自然科学として研究する関西大学の橋本敬造教授を訪問し、本研究の構想についてご教示をいただいた(国内旅費)。 3.『中國科學技術典籍通彙』天文巻全八冊の編纂に当たった中国科学院自然科学史研究所を訪問し、中国古代天文学が社会へ及ぼした影響を緻密に分析している徐風先博士に面談して本研究に対するレビューを受け、氏の学位論文『中国古代異常天象観及其社会影響』を入手した(外国旅費)。 4.古代中国天文学の中心的存在である台湾新竹清華大学の黄一農教授を訪れ、本研究の目的と方法についてレビューを受けた(外国旅費)。また、黄一農教授からインターネット利用を教示され、既に検索したデータを補っているところである(消耗品費・研究補助謝金)。
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