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2001 年度 実績報告書

古代中国天文学の社会科学的研究-彗星と流星の「予言」と災異説

研究課題

研究課題/領域番号 11610017
研究機関大阪府立大学

研究代表者

串田 久治  大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (70127223)

キーワード天文学 / 占星術 / 彗星 / 流星 / 孛 / 予言 / 天人相関思想 / 災異説
研究概要

本研究は彗星と流星の観測とともに生まれる「予言」記録を整理することによって、それらの「予言」が当時の政治や社会を動かす原動力となっていたことを解明し、董伸舒の災異説の現実的役割を中国古代社会思想史上により一層明確に提示しようとした。そして、最終年度の平成13年度は以下の研究を実施した。
1.ケンブリッジ大学ニーダム研究所に客員教授として赴任された橋本敬造・関西大学教授主催の研究会で研究発表を要請され、4月5日に同研究所おいて中間報告を行った(外国旅費)。
2.研究会では橋本教授をはじめ、ニーダム研究所のジョン・モフェット博士や上海交通大学の鈕衛星博士ら多くの天文学者と知遇を得、貴重な意見を賜った。
3.帰国後すぐに『春秋』経文中に見える彗星記録と、『漢書』に記載される董仲舒・劉向の解説とを整理し(消耗品費・研究補助謝金)、比較検討して「古代中国の彗星予言」(前)として『中国研究集刊』に発表した(2001年6月)。
4.かねてよりメール等で交流のあったリーハイ大学・デビッド・パンクニアー教授を訪問し、本研究のレビューを受け、かっまた日本では入手できない資料を拝受した(外国旅費)。
5.これまでに流星記録が予想外に少ないこと、そして後漢和帝期には彗星記録がないかわりに流星記録が目立ち、『績漢書』天文志も流星を巡って解説していることなど、流星とその「予言」に新たな発見はあったが、この扱いに関しては川原秀城・東京大学教授を訪問して天狗・天鼓・柾矢・長康が実際には流星として扱うことを示唆され、やはり当初の予測通り彗星・流星の観測記録を具体的な政治と結び付けて「予占」とすることは、特に『後漢書』から顕著であることが判明した(国内旅費)。
6.彗星と流星の天文観測記録が、占星術から「予言」に変容していく過程を明らかにすることによって災異思想の政治力学を再構築し、その研究成果を公にする(印刷費)とともに、ホームページに掲載して日本語・中国語・英語(PDF)で公開する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 串田久治: "古代中国の彗星予言(後)"中国研究集刊. 第29号. 47-64 (2001)

  • [文献書誌] 串田久治: "古代中国の彗星予言(前)"中国研究集刊. 第28号. 29-45 (2001)

  • [文献書誌] 串田久治: "予言に託す変革の精神"アジア遊学. No.29. 4-13 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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