研究課題/領域番号 |
11610020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
末木 文美士 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90114511)
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研究分担者 |
佐藤 錬太郎 北海道大学, 文学部, 教授 (40196291)
木村 清孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40140355)
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キーワード | 室町時代 / 江戸時代 / 禅 / 瀧田文庫 / 沢庵 / 不動智神妙録 / 碧巌録 / 五山版 |
研究概要 |
1、本科研による研究の大きな目的は、東京大学文学部インド哲学仏教学会研究室に寄贈された故瀧田英二氏の蔵書(瀧田文庫)の整理と目録の作成であるが、本年度は末木・木村が中心となって、学生数名の協力のもとに、340部ほどあるその全体について、ひとまずカードを作成し終わった。その内容は、主として江戸時代の禅関係の写本・刊本(内容的には室町期にさかのぼるものが多い)である。カード作成に当っては国書総目録・新纂禅籍目録などによって、他所にある同一書との同定の作業を進めた。しかし、それらの目録に記載のない文献もあり、また書名の記載のない写本もある。甚だ貴重なものと思われるが、その内容の詳しい検討は次年度に持ち越された。また、パソコンといくつかのソフトを購入し、作成されたカードを電子データ化するための準備を進めた(本格的な作業は12年度の予定)。 2、研究分担者の佐藤は、江戸時代はじめの禅者で武道の確立者でもある沢庵の著『不動智神妙緑』についての研究を進め、室町期から江戸期にかけての禅思想の変容の研究を進めた。11月には上京して同書の諸本についての検討を末木・木村と共同で行なった。 3、中国から日本に影響を与えた禅思想の典型として、『碧巌緑』について、内容の検討と、諸本の研究を進めた。本書は鎌倉期に日本に伝来して以来、しばしば刊行され、瀧田文庫の中にも五山版の一本が存し、その字句の異同の調査を進めた。
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