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2001 年度 実績報告書

安居院唱導資料における注釈学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610023
研究機関愛知学院大学

研究代表者

蓑輪 顕量  愛知学院大学, 文学部, 助教授 (30261134)

キーワード唱導 / 経釈 / 法華経釈 / 釈門秘鑰 / 法勝寺御八講問答記 / 華厳経釈
研究概要

本年度は、まず法会に関する唱導の部分と論義の部分とのうち、先に論義の部分に関する知見を学会(印度学仏教学会)で発表した。これは、安居院の澄憲も出仕したことの確認される法勝寺御八講であるが、『法勝寺御八講問答記』より議論される論題の典拠を推測することが出来た。経釈の部分は一般的な知見が披露されると推測されるが、論義はその日に説法された巻に関する題材が文短尺の場合には用いられ、義短尺は法華経学に限定されず幅広い教学の中から出題されることを発表した(『印度学仏教学研究』50-1)。次に安居院の資料である金沢文庫所蔵の『釈門秘鑰』の内『無量義経』に関する経釈の研究を行った。『無量義経』は、東大寺図書館に収蔵される鎌倉時代の論義資料である『無量義経短尺』とも関連する研究が可能のため、選定した。また石山寺に所蔵される『法華経釈』の写本を手に入れ翻刻、研究を行い、若干の知見をまとめることが出来た(渡辺宝陽先生古稀記念論集に投稿予定)。これは安居院の唱導との直接の関連を示唆することは困難であるが同じく天台系の経釈と考えられ、唱導の経釈の部分に反映される教学がどの程度のものかを示唆する点で興味深い。実際には本門・迹門など天台教学の初歩的な内容が披露されるに留まり、実際の唱導は細かい教学には踏み込まないと推定した。さらには『釈門秘鑰』に収載される『法華経』に関連する部分の読解作業を行った。また東大寺図書館に所蔵される『華厳経釈』『法華経釈』の写本を入手することが出来たので、南都に伝わるものと北嶺系に伝わるものとがそろい、経釈の実際を比較検討することが可能になった。これは今後の課題として研究を進めたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 蓑輪顕量: "北勝寺御八講における論議の典拠-長承二、三年、保延元年を素材に-"印度学仏教学研究. 50-1. 9-14 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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