本年度は、時間感覚空間感覚に関して蒐集した300の作文資料(有意味写真版 家内祭壇と教会祭壇の祈りの場面への反応内容)を、言語分析プログラム(Corpus wizard Ver.1.06F for Win 32)を使用して分析した。 調査地マニでは、聖像を中心に祭壇を評価する傾向が取り出された。特に、高く価値づけされた聖像は、ガダルッペ、ヘスス、十字架である。これらを高く価値づける理由としては、「奇跡を起こす」が高い割合をしめしている。これは古い象徴が、人々の具体的生活の中に現実にナ着して存続変容している局面を表している。 家内祭壇での祈りに関しては、ロサリオ、献身と信仰、約束の祈り、9日間の祈り、死者の供養が大部分をしめている。その祈りの内容は、ディオスとイマヘンに対して、家と家のものみんなへの日々の祝福、健康、安寧、援助などを頼むことを中心としている。教会での祈りと対比すると、祈りの内容は比較的単純である。また、祈りとの関連で言及されている対象は、自分と家族に限定されている。 教会祭壇での祈りを特徴づけるているのは、悔い改めである。教会での祈りは、家内での祈りと同様に、自分と家族の成員にディオスおよびイマヘンの恩寵、援助を頼むことを重要な部分としている。しかし、教会の祈りにおいては、自分と家族のためだけにとどまらず、それらをえて祈りが捧げられている。また、祈りの内容については、深い信仰にもとづいて、主の目的にかなった生き方をし、人間としてよりよい生き方に関連するものが示されてる。さらに、教会での祈りは、家内の祈りよりもディオスに聞き入れてもらいやすいと考えられている。教会は家内よりもよりよい祈りの場所であり、教会を訪れて祈ると、ディオスの近くにいるために、祈りはディオスに届きやすいという思考がマニには存在している。
|