1.平成11年8月、約3週間にわたって、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(University of Stellenbocsh)神学部を中心に、南アフリカのアパルトヘイトとキリスト教の関係についての研究調査を行った。研究代表者にとって、はじめての南アフリカ調査であり、期間も限定されていたために、調査の範囲は限定されざるを得なかった。 2.現地調査の中心は、研究課題についての文献の収集と、ステレンボッシュ大学の研究者、およびステレンボッシュ市の諸教会の宗教者とのインタビュー、および対話であった。 3.調査対象の中心は、南アフリカにおけるアパルトヘイトを宗教的に肯定してきた中心教派であった「オランダ改革派教会」であった。 4.南アフリカ共和国においては、白人、黒人の両者にとって、現在もキリスト教は大きな影響力を持っている。人ロに占めるキリスト教徒の割合は、白人、黒人ともに、95%を超えている。 5.南アフリカのオランダ改革派教会は、アパルトヘイト時代には、人種に従って4つの教派に分かれていた。現在、それを統合するプロセスにある。それにともない、アパルトヘイトを聖書的・宗教的に肯定してきた神学を、アパルトヘイト以後の状況のなかで、変革するという難しい課題に直面している。 6.現地調査によって収集した資料を、アメリカ合衆国との比較において分析する作業を進行中である。
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