人間形成のリズム論(II)-教育におけるリズムと類型- 『豊橋創造大学紀要』第5号 2000年 リズムの現象は、生の根源的形象であり、生のダイナミズムを貫く原理でもある。こうした広義のリズム性の視点が、人間形成の理解にもたらす特質について考察した。きわめて普遍的でありながら、また見極めがたくもあるリズムの現象、とりわけその実存生成的な側面に着目する。そして従来からの考察の視界からは、隠れがちであったリズムによる人間形成の-側面を呈示してみた。 (II)では、リズム現象の人間形成論的意義について、とりわけ類型概念を手がかりに考察した。論究したトピックスとしては、ディルタイの類型的認識論の試み、カントの構想力論、ゲーテの形態学、ヘルダーの類型論を取り上げた。さらに「型」の思想に根ざした日本の伝統的身体技法のモデルを例証しながら、その特徴的な主体の構成主義について論究した。
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