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2002 年度 研究成果報告書概要

20世紀中葉のニューヨーク近代美術館の活動とその美学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 11610053
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関多摩美術大学

研究代表者

村山 康男  多摩美術大学, 美術学部・芸術学科, 教授 (40190938)

研究期間 (年度) 1999 – 2002
キーワードドロシー・ミラー / フランク・オハラ / 抽象表現主義 / ポップ・アート / ミニマル・アート / MOMA / アメリカ人作家展 / アルフレッド・バー・ジュニア
研究概要

ドロシー・ミラーに関しては「16人のアメリカ人作家展」(1959)「アメリカ人作家展1963年」の2展覧会と1960年代アメリカ美術、美学思想などの連関を解明した。これまでフランク・オハラに関しては多摩美術大学ウェブサイト、並びに研究紀要に「瀧口修造とフランク・オハラ」を発表しているので、本年度は、これまでのミラーの8展覧会(特に1942、46、52,56,59,63展)を総合的な視点から研究して「ドロシー・カニング・ミラーとアメリカ美術の1950年代」という論文に纏めることが出来た。
一連の「アメリカ人作家展」は同時代の美術の歴史において、最も重要な美術館の業績であり、画期的な出来事である。とりわけ1950年代に行われた3つの展覧会はそこに出品された作品の質、展示方法の洗練された優雅さや洞察の故に重要なものである。特定の目的を持っていた1942年展を唯一の例外として、全ての展覧会が戦後の時代の最も影響力を持った画家や彫刻家の重要な声明を記録しており、また今日では馴染みの薄い美術家の感動的で美しい作品を収録している。
「アメリカ人作家展」の終結は時代の終結と等しい。1960年代は美術館の観客が大いに拡大し、現代美術の画廊も増大、その間、新しい文化形態に対する寛容な態度がアメリカ社会全体に広がった。国際美術の戦いの場ではアメリカは中心的な舞台となった。「アメリカ人作家展」は、ラディカルな抽象を展示することが困難な時代にMOMAが生み出した展覧会であり、それは自己防衛的な機構であった。1963年までには、しかし、ニューヨーク派は我々が国際的な重要性を持った運動の作り手であることを自己認識させてくれた。そのあとでは、MOMAが多様なスタイルで制作する少数の美術家の展覧会を組織することは殆ど意味を持ち得なかった。「アメリカ人作家展」の時代はもう終わっていたのである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 村山康男: "瀧口修造とフランク・オハラ"多摩美術大学研究紀要. 16号. 45-50 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 村山康男: "ドロシー・カニング・ミラーとアメリカ美術の1950年代"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] MURAYAMA Yasuo: "Takiguchi Shuzo and Frank O'Hara"Bulletin of Tama Art University. No. 16. 45-50 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] MURAYAMA Yasuo: "Dorothy C. Miller and American Art after War"Bulletin of Tama Art University.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2004-04-14  

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