研究課題/領域番号 |
11610081
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松永 勝也 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (10036999)
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研究分担者 |
合志 和晃 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (10294901)
伊藤 裕之 九州芸術工科大学, 芸術工学部・画像設計工学科, 助教授 (40243977)
志堂寺 和則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50243853)
松木 裕二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (00315128)
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キーワード | 仮想現実感 / 眼球運動計測装置 / 立体画像 / 輻輳 / 重複率 / 融合負荷 |
研究概要 |
1)仮想現実感空間と実空間における人の空間認識の違いを解明するためのツールとして、HMD搭載型の眼球運動計測装置を開発した。ところが、本装置には、まだ調整にかなりの時間を要したので、本年は、本装置の機構部分の改良を行った。これにより、調整時間はかなり短縮できた。 2)人が何かを注視するとき、利き目の方が非利き目よりも正確に注視点を注視していることが明らかとなった。これにより、知識が利用できる場合は、片方の目(利き目)からの情報でもって主に視環境の認識を行っていることが考えられる。これは、より少ない脳の活動で生存しようとする、一種の生体における消費エネルギー節約のメカニズムと考えられる。両眼の情報を利用しようとすると、左右の網膜像を融合させる必要があり、そのためには、脳にかなりの照合操作が必要で、エネルギー消費が大きくなるからであろう。 3)平成11年度の仮想環境における実験において、左右眼の網膜像の重複率が低くなると3次元認識の必要な作業においてその効率が低下することが明らかとなった。そこで、本年は、映像下の遠隔作業において、カメラの輻輳と操作者の眼の輻輳とが一致した場合と一致しない場合との作業効率を調べた。その結果、仮想環境での実験結果とほぼ同じ傾向が得られた。仮想環境における違和感や疲労感の発生要因の一つは、左右眼像の一致が保証されていないところにあると考えられる。
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