(1)WGTAを用いた老齢ザルにおける位置再認課題の獲得と転移(結果と考察) (1)問題1:ある程度の記憶を要求する課題の獲得に老弱のちがいはあるのか。 問題2:老齢ザルは一度獲得したルール(学習セット)を他の刺激条件場面にも適応できるのか。 (2)問題1を探るために場所型遅延非見本合わせ課題と用いて検討した。また、 問題2を探るため7種の場所型遅延非見本合わせ課題を用いて検討した。 (3)結果は以下の通りである。 (a)老齢ザルにおいて、獲得段階から自演時間が挿入された「位置再認課題」の学習能力は低下している。遅延をともなわない位置課題では獲得に差がないことから、記憶の負荷が老齢ザルの課題獲得を困難にした要因であると考えられる。 (b)老齢ザルにおいて、位置再認課題の転移(学習セット形成)はみられたが、その速度は遅い.老齢ザルは次元内転移にもかかわらず初期の課題では再獲得に時間がかかったことから、老齢ザルの認知機能は若干の呈示条件の変化にも脆弱であり、獲得した課題の情報は限られた条件場面に依存した限定的なものであることが示唆された。 (2)改良型指迷路による空間認知能力テスト(結果と考察) エラーボックス付きの4段迷路課題においては、老若に差はでなかった。遅延時間をともなう指迷路に改良することになった。
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