研究概要 |
ラットの空間・時間情報処理に関して4実験を実施した。 (1)水迷路での課題の遂行における課題解決ストラテジー(win-shift,win-stay)の利用におよぼす背側線条体損傷の効果を行動軌跡との関係で分析した。損傷ラットは場所課題においてwin-shiftを用い、手掛り課題においては両ストラテジーを用いることを明らかにし、背側線条体の機能について考察した。 (2)抗コリン薬スコポラミンは水迷路における場所課題の遂行に障害を与えることが報告されている。本研究では、老化による認知障害を低減すると言われているグルコースの認知障害改善効果をスコポラミン投与により引き起こされた障害を基準にして実験的に評価した。 (3)ラットにおける加齢と食餌制限の効果を水迷路課題で検討した。加齢に伴ってば諸課題での遂行成績の低下が生じてくるが、この現象が自由摂食条件よりも食餌制限条件で顕著であることを示した。現在なお実験継続中であり、いわゆる老齢(24ケ月齢)時期までの継続して比較検討し、脳内変化についても明らかにしたい。 (4)レバー押し行動をもとにスコポラミン投与がラットの時間認知に障害を及ぼすことを明らかにした。
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