研究概要 |
平成13年度は平成11、12年度に提出した進化ゲームモデルをさらに拡張し、コンピュータシミュレーションを広範なパラメターレンジで行った。その結果、資源獲得に不確実性が伴う場合、その資源を広く共有財として提供する行動が、進化的安定戦略となることが解析的に明らかにされた。この解析結果はKameda,Takezawa,& Hastie(in press)"The logic of social sharing : An evolutionary game analysis of adaptive norm development"として、Personality and Social Psychology Reviewに発表された。また、資源獲得の不確実性が人間行動における分配傾向を実際に規定するかどうかを実証的に検討するため平成12年度に実施した日米比較実験の結果を論文にまとめた。これらの国際比較実験の結果、文化差を超え、「資源獲得における不確実性が増大するに伴いその資源が共有財としての性格をもつようになり、一般交換の対象とされやすくなる」という命題が経験的に確証された。この結果は、Kameda,T.,Takezawa,M., Tindale,R.S.,& Smith,C.(2002)."Social sharing and risk reduction : Exploring a computational algorithm for the psychology of windfall gains"としてEvolution and Human Behaviorに公刊された。また、現在、進化ゲーム分析に関する著書を準備中である。
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