研究概要 |
育児をめぐる生態学的システムとサポート資源の分析のテーマのもとに、本年度は3つの調査研究を行い、学会等で報告した。 (1)宮城県T町における育児支援資源の分析 育児をめぐる生態学的システムとサポート資源の分析のために、地域の資源の認知と利用の状況について調査した。対象はT町にすむ4歳児を第1子としてもつすべての母親(139名)と1.5〜2.5歳児を第1子としてもつ母親すべて(140名)である。内容は児童館、幼稚園、保育所、保健福祉課、小児科、電話相談、インターネット、育児雑誌、母親の習い事、地域の諸施設等々で、それぞれが育児関連のサポート資源としてどう認知され、利用されているかを分析した。 (2)職業をもつ母親の育児ストレス 乳幼児をもつ有職の母親の育児ストレスとソーシャル・サポート、work-family conflict,対処行動との関連を分析した。職業従事が育児に影響すること、ソーシャル・サポートがストレス低減に有効なことが示された。 (3)育児期における親役割とジェンダー 育児期の親の親役割観と性役割観の関連について分析した。全体的には父親と母親の役割を制約割りとの関連で区別しているが、個々には「二人で」共同して育児にあたるという捉え方が見られた。
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