研究課題/領域番号 |
11610106
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉江 征 筑波大学, 心理学系, 助教授 (70222049)
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研究分担者 |
笠井 仁 筑波大学, 心理学系, 助教授 (80194702)
小玉 正博 筑波大学, 心理学系, 教授 (00114075)
佐々木 雄二 駒澤大学, 文学部, 教授 (30052492)
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キーワード | 自律訓練法 / 自律神経機能指標 / ローレンツプロット |
研究概要 |
本年度は、これまでの研究のまとめとして、心拍変動性を中心とする自律神経機能指標を用いて自律訓練法の日常生活における訓練効果について検討を行った。 昨年度実施した研究において、自律訓練法を修得している人が、実際の日常生活において自律訓練法を実施した場合に、自律系の変化が起こり、交感神経系の活動性の低下や副交感神経の活動性が高まることが示唆された。したがって、本年度は、健常者が自律訓練法を修得することによってどの程度日常生活において自律神経系の活動が変化するかどうかを検討した。 被験者は健常者15名(内2名は中断)で、これまで自律訓練法の講習を受けたことの無いものであった。これらの被験者を対象に、毎週1回、8週間の自律訓練法の講習会を実施した。講習会では標準練習6公式を実施した。講習会の開始前に、事前テストを行い各種質問紙調査を実施すると共に、ホルター心電計を用いて個別に日常生活の日中の心拍変動を測定した。この間行動記録を求め、さらにその間に3回前後のリラックス時間を持つよう課題を設定した。事後テストでは、事前テストと同様な手続きで行なった。なお、事後テストでは、この間に3回前後のリラックス時間を持つよう課題を設定した。 自律訓練法修得前に行われたリラックスの課題と修得後に行われた自律訓練法の課題とを、ローレンツプロットを用いた自律神経機能指標で比較検討したところ、自律訓練法修得後には交感神経系の活動性の低下しており、その効果が認められた。また、これまで報告されている心拍数の低下も認められた。主観的なストレス度も統制の問題はあるものの低下している傾向がうかがわれた。これらのことから日常生活においても自律訓練法を実施することによって自律神経系の変化というものが起こることが確かめられた。今後、修得度やストレスとの対応をより統制した検討や疾患での検討を実施していく予定である。
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