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2000 年度 実績報告書

分散効果の再活性化説に基づく効果的な分散学習CAIの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 11610111
研究機関信州大学

研究代表者

水野 りか  信州大学, 工学部, 助教授 (00239253)

キーワード分散学習 / 分散効果 / 再活性化説 / Low-First方式 / CAI / 遠隔講義 / 活性度 / 作業記憶容量
研究概要

本年度は,1.昨年,分散効果の再活性化説を基に考案した効果的な分散学習方式,Low-First方式の効果を実践的に検証し,2.問題点と原因を明らかにし,3.これを作業記憶容量の個人差や課題の難易度の違いに対応できる柔軟な方式に発展させることを目的とした.
1.前半は,遠隔講義で使用している種々のCAIにLow-First方式を適用してその効果を実践的に検証し(教育システム情報学会誌,2000;日本教育工学会誌,2000;Educational Technology Research,2000),再活性化モデルによるシミュレーションで被験者の学習過程が極めて正確に再現できることを示した(信州大学工学部紀要,2000).
2.次に,1の中で見出された約2割の被験者の再生率の伸び悩みの問題の原因を分析し,それが活性度の減衰速度にあることを,これを変化させたシミュレーションで成績上位群と下位群の再生率や学習過程が的確に推定・再現できることを示し,明らかにした(日本認知科学会,2000).
3.活性度の減衰速度は課題の難易度や作業記憶容量の個人差によって大きく異なる.そこで後半は,その対策としての「原理3:各セッションの誤答数に上限を設ける」を考案・追加してLow-First方式を改良し,これが(1)課題の難易度の違い(東海心理学会,2000),(2)作業記憶容量の個人差(日本教育心理学会,2000),(3)双方(日本教育心理学会,2000)に柔軟に対応できることを実験的に示した.
現在は,改良Low-First方式の問題点である末端項目の提示間隔の少なさの悪影響が遅延再生で現れるのではないか等の問題を検討中で,現時点では悪影響よりもむしろ利点の方が遅延再生で顕著に現れること(日本教育心理学会,発表予定),特に難易度が高い場合にその利点が顕著になること(日本心理学会,発表予定)が見出されている.

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 水野りか,大下眞二郎: "画像情報ネットワーク・システムを用いた遠隔教育でのインターネット併用の効果と可能性"教育システム情報学会誌. 17・1. 30-40 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "Low-First分散学習方式の効果のCAIでの実験的検討"日本教育工学会誌. 24・2. 111-120 (2000)

  • [文献書誌] Mizuno,Rika: "A test of the effectiveness of the Low-First Spaced Learning Method applied to CAI"Educational Technology Research. 23・1&2. 35-44 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "効果的な分散学習に関する認知心理学的知見のCAIへの応用-遠隔教育用CAIへの適用とシミュレーションによる実証-"信州大学工学部紀要. 83. 1-10 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "難易度に応じた効果的な分散学習スパンの設定"東海心理学会第49回大会発表論文集. 34 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "分散効果の個人差の生起過程の認知科学的検討"日本認知科学会第17回大会発表論文集. 44-45 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "個人差・難易度に応じた効果的な分散学習方式の実験的検討"日本教育心理学会第42回総会発表論文集. 601 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "作業記憶容量の個人差と効果的な分散学習スパンの関係"日本心理学会第64回大会発表論文集. 702 (2000)

  • [文献書誌] 水野りか: "Low-First方式の分散効果の長期持続性の検討"日本教育心理学会第43回総会発表論文集. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] 水野りか: "自主シンポジウム:教育における「活性化」概念の適用可能性-学習研究-"日本教育心理学会第43回総会発表論文集. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] 水野りか: "改良Low-First方式の分散効果-難易度独立性と持続性-"日本心理学会第65回大会発表論文集. (発表予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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