1「変革」の種類を整理し、それらに底流する心理的インパクト(プラス効果と副作用)を検討した 我が国社会は転換期を迎えている。組織や集団における変革は、これからいよいよ本格化する。研究計画l年目の今年度は、変革プログラムについて、どのような手順や手続きで導入されているかを鳥瞰して整理した。種類や内容でいえば「構造的変革」(例えは階層構造や組織編成の変更など)と「制度的変革」(例えば役割の変更、業績評価、人事処遇と報酬分配原理の変更など)に大別できた。 2変革プログラムの「定着度」についての新しい指標を考案した 変革には、(l)成員の個別性と責任性の明確化、(2)成員の自由度の変更、(3)個々の匿名性の解消、そして(4)結果重視と成果の評価などの原理が流れている。これらはいずれも、我々目本人にとってなじみの薄い原理であり、プラスのインパクトとマイナスの副作用を併せ持っている。同時に、変革の主たる推進者のかかわり方(手続き的な公正さ)や働きかけ(評価の仕方)も鍵を握る。これらが、変革プログラムの定着とどのように関連しているかについての仮説を設定し、これを実証的に検証したいと考えている。 「変革が、組織の将来的な発展を企図したものであることを考慮すると、新しい事態や課題に向かうモチベーション、新たな創造的・革新的行動、あるいは旧来の役割を超えた行動などがカバーされなければならない。これらを考慮しながら、適切な「定着度指標」を作成しはじめている。これを用いて、研究計画の2年目に調査を実施し、研究のまとめを行う。
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