1 「変革」タイプを整理し、それらが持つ心理的インパクト(プラス効果と副作用)を検討した。 変革プログラムの導入について、手続き、目的、範囲などに注目して整理、分類した。種類や内容でいえば「構造的変革」(例えは階層構造や組織編成の変更など)と「制度的変革」(例えば役割の変更、業績評価、人事処遇と報酬分配原理の変更など)に大別できた。 2 組織変革の進行について、変革推進者である組織成員の観点から検討した。 従来の組織変革に関わる研究は、それらの多くが経営トップや組織側から記述されたものであった。ここでは成員の有している価値観に注目し、その価値観と変革モチベーションとの関係性について、変革プログラムを推進している企業組織の一般成員を対象として実証的な分析を行った。 9つの価値観カテゴリーを抽出し、それらのうち、変革モチベーションに対して、"評価・処遇における多様性の許容"と"組織によるビジョン提示の理解と内在化"が強い関わりを持っていた。 3 電子コミュニケーションの新規導入が組織にもたらすインパクトを検討した。 組織の業務活動にE-mailを導入し、活用している組織に注目した。またチーム活動の新しい分析方法としてサーバーに保存されている通信記録(ログ)の内容分析を採用し、これの時系列分析を行った。その結果、営業活動を行っている高業績チームの特性が明瞭になった。営業活動にとって不可欠の"知識とスキル"および"価値と基準"の学習がなされているチームほど高業績をあげていることが示された。 4 研究成果のまとめを行った。 平成11年度および12年度の研究成果を報告書としてまとめた。本研究の成果は、効果的な組織変革のあり方に対して実践的な示唆を提供するものである。
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