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2000 年度 研究成果報告書概要

相互交渉リズムと自己制御リズムの統合過程における認知系-情動系の機能的役割

研究課題

研究課題/領域番号 11610128
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関熊本大学

研究代表者

藤田 豊  熊本大学, 教育学部, 助教授 (60238590)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
キーワード相互交渉リズム / 自己制御リズム / 思考のリズム / 身体のリズム / 認知情動的体験イメージ / 協応と制御 / リズム動作とイメージ動作 / 認知発達
研究概要

本研究は,感覚運動的な思考の段階にある幼児期の子どもが,一つの課題を介して他者と関わる際に,その相互作用の過程で,自己の振る舞いや思考を対象視できるようになる発達メカニズムを解明する研究の一端として,思考の持つリズム性や身体の持つリズム性あるいは感情(情動)が持つリズム性に焦点を当て,子どもの認知発達にとってリズムの持つ意味や機能の本質について検討していくものである。まずはじめに理論的問題として,著者がどういう研究の枠組に立って研究を進めているのか,「相互交渉リズムと自己制御リズムの統合プロセスを分析していくための理論的背景」についてまとめた。次に,幼児期の子どもを対象に行なった実験的研究を3つの観点からまとめた。最初の実験では,言語化(自己の認知的な活動をコントロールしていくため自分で自分に向けられた掛け声や意味のある言葉)の持つリズムと意味に注目し,それぞれが自己の活動を認知的に制御していく上で,あるいは他者と同じ動作を共有していく上でどのように機能しているかを比較検討した。その結果,(1)年少児の子どもほど,言語化のリズムよりも意味が自己の課題解決プロセスに効果的であることが示唆された。2番目の実験では,普段生活の中でリズムはどの程度意識の対象になっているのか,感覚運動的(身体運動的)な課題と認知的な課題を組み合わせて,子どもの思考に現れるリズム性と身体に現れるリズム性の発達的な関係について検討した。その結果,(2)子どもの持つリズム性は,身体運動動作よりも認知的な解決課題において出やすいことが示唆された。3番目の実験では,お遊戯場面にみられるような子どもたちのリズミカルで生き生きとした活動を支えているものは何かという観点から,認知・情動的体験を伴ったイメージ作りがリズミカルな相互作用にどのように影響しているか,またそこに大人-子どもの場合の相互作用と子ども同士の相互作用の特徴はどのように異なるのかという問題について検討した。(3)その結果,情動的な体験をイメージさせられるほど,子どものリズミカルな協応動作は促進されること。(4)大人との場合とは,異なり,子ども同士の相互作用では,まず言語化が優位な相互作用過程が進行することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 藤田豊: "折り紙構成課題における幼児の言語的・動作的教示の理解"熊本大学教育実践研究. 18号. 49-57 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田豊: "リズム動作課題における感覚運動的協応と認知的制御の統合プロセス"熊本大学教育学部紀要人文科学編. 48号. 151-165 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田豊: "リズム動作の分析から見た認知発生メカニズム"風間書房. 204 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yutaka FUJITA: "Developmental processes of young children's rhythmic motor coordination integrated into cognitive self-regulation."Mimoirs of the Faculty of Education, Kumamoto University. 48. 151-165 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yutaka FUJITA: "Development of young children's understanding of verbal and motor instruction in paper-folding "ORIGAMI" task."Bulletin of Center for Educational Research and Training Faculty of Education Kumamoto University. 18. 49-57 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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