研究課題/領域番号 |
11610159
|
研究機関 | メディア教育開発センター |
研究代表者 |
大塚 雄作 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (00160549)
|
研究分担者 |
波多野 和彦 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (50198751)
三尾 忠男 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20219596)
山地 弘起 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (10220360)
中村 知靖 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30251614)
|
キーワード | 学生による授業評価 / 授業評価能力 / 平均評定値 / 自由記述 / 授業への参加 / 評価能力測定の方法論 |
研究概要 |
大学改革の流れの中で、学生による授業評価調査が、我が国でも全国的に普及し始めている。しかし、学生による授業評価調査は、教員の勤務評定等に管理的に利用されるとか、学生に授業を評価する能力があるのかといった懐疑的な意見も少なからずあって、その情報収集機会が授業等の改善のために適切に利用されてきているとは言いきれない部分が多々残されている。そこで、本研究では、学生が授業を評価する「能力」にはどのような側面があり、実際に、学生はそのそれぞれの側面について、どの程度の評価能力を持っていると言えるのかを探るのが本研究の目的である。 平成11年度は、その基礎として、先行研究に関する情報収集、及び、実際に、いくつかの授業評価調査の実践の中で得られる評定値の統計的特性や自由記述の分析を通して、授業等を評価する観点にどのようなものがあり、また、どの程度の評価力があるかを探ることとした。学生の授業に対する自由記述の中には、教員にとってはかなり厳しい意見がしばしば寄せられることがあるが、それを「厳しく」感じる背景には、的確に教員の弱点をつかれてしまっているという部分のあることは否めない事実として確認された。また、教員の授業の構成等に対する思いが学生に伝わっていないと感じる自由記述も散見されるが、それは学生だから生じる意見ではなく、メディア教育開発センター主催の大学教員を対象とした研修コースの反応などでも同様に見られることであり、基本的に、学生であるか教員であるかという区別よりも、授業という場にそれぞれがどう関わっているかという部分がまずは重要な要素であることが窺われた。そういったさまざまな学生が授業に出席する中で、授業評定値のクラス平均値は、統計的に比較的安定した、授業の特徴を反映した結果をもたらしてくれていることが、いくつかの実践例を通して示唆されている。 そのほか、本研究を進めるに当たっての方法論的な検討も進められ、次年度以降、以上で浮き彫りにされた問題点を、さらに検討していくための土台作りが行なわれた。
|