1.学会誌『唯物論研究年誌』第5号「新たな公共性を求めて」(2000年10月刊)に、「記憶へのオマージュ-『撮る側』のレトリック-」を発表する。 2.『唯物論』第74号(2000年12月)に、「ロバート・クルツの新著を読む」と題して、Robert Kurz : Schwarzbuch Kapitalismus.Ein Abgesang auf die Marktwirtschaft.についての書評を発表する。 3.アドルノの美学理論をめぐる、シュヴェッペンホイザー、ヴィガースハウスといった研究者による文献を中心に読み、アドルノについてのさまざまな評価を追跡した。 4.2000年8月末から9月末まで、ベルリン・フンボルト大学哲学研究所を訪問し、フランクフルト学派の批判理論に関する現在のドイツにおける議論について、研究打ち合わせを行い、合わせて、アドルノの放送用講演記録(CD)などの資料を収集する。 5.パソコンによる画像処理の習得を開始し、新しい「複製技術」の意味を探る。 6.1930-40年代の、ナチズム時代のドイツの社会状況についても、文献資料を収集する。 7.来年度は、上記のロバート・クルツの著作の問題設定と、アドルノをはじめとするフランクフルト学派の問題意識との共通性を探りながら、論文を執筆する予定である。
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