長崎県(ハウステンボス・グラバー園・長崎原爆資料館)、京都市(東映太秦映画村・京都国立博物館)、茨城県(エキスポセンター・土浦市立博物館)のそれぞれにおいて、民間あるいは第3セクターによるテーマパーク型の博物館と国公立の伝統的な博物館を選び、予備調査を行なった。各施設の組織、沿革史、収蔵品、展示構成、入館者数、『館報』など基礎的な資料を収集するとともに、茨城県の2施設については、それぞれを運営するつくば科学万博記念財団および土浦市教育委員会、学芸員、入館者に対してインタビュー調査を実施した。 また博物館の観光施設化についての国際比較を行なうために、フランス国立科学研究センターのランファン教授(国際社会学会ツーリズム部会会長)と意見交換を行なうとともに、オラドゥール・シェル・グラーヌの野外博物館および世界文化遺産に指定されているアルケスナンの王立製塩所で予備調査を行なった。 予備調査の結果は現在分析中であるが、民間のテーマパーク型の博物館の増加と並行して、公立の博物館においても、運営が教育委員会から知事部局へ、さらに第3セクターへ移行し、展示内容も教育志向から観光志向へ、地域志向から「脱場所化」志向へと、ポストモダン型に変化している傾向がみられた。
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