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2000 年度 研究成果報告書概要

観光のまなざしと博物館の変容に関する文化社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610165
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

濱 日出夫  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30135644)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
キーワード観光のまなざし / 伝統の創造 / 空間の博物館化
研究概要

茨城県つくば市筑波山神社周辺地区、東京都葛飾区柴又地区、京都市内4か所の重要伝統的建造物群保存地区を対象として、観光のまなざしによる博物館の変容に関する調査を行なった。これらの地域では、観光のまなざしによる変容が博物館の内部空間の変容にとどまらず、地域空間全体を変容させる「空間の博物館化」と呼ぶことのできる現象が生じている。研究成果報告書ではこのうち筑波山神社周辺地区における調査の結果をまとめた。他の2地区の調査結果は別途まとめる予定である。
調査の結果、以下の点が明らかになった。
(1)民間のテーマパーク型博物館施設「観光がま園」を中心として、筑波山神社周辺地区全体にがまの油およびがまの油売り口上にかかわる史跡が点在しており、地域空間全体ががまの油をめぐる一種の博物館と化していること。
(2)しかし戦前にはこの地区にがまの油にかかわる史跡はまったく存在していなかったこと。
(3)「筑波山名物がまの油」は、ケーブルカーの撤去によって眺望という観光のまなざしの対象を失った同地区で、戦後新たに創造された伝統であること。
(4)しだいに同地区の江戸時代にさかのぼる伝統との接合がはかられ、またラジオ・テレビ・映画・音楽などのメディアを通して伝統として定着したこと。
(5)観光圏の拡大にともなってしだいに観光のまなざしを引きつけるための条件である非日常性を失うにつれて、逆に地域の民間伝承として定着しつつあること。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 浜日出夫: "記憶のトポグラフィー"三田社会学. 5. 4-16 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 浜日出夫: "「歴史の社会学」の可能性"情況. 11-7. 185-200 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 浜日出夫: "熱い博物館・冷たい博物館"三田評論. 1028. -29 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] HIDEO HAMA: "TOPOGRAPHY OF MEMORY"MITA JOURNAL OF SOCIOLOGY. 5. 4-16 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] HIDEO HAMA: "INTRODUCTION TO THE SOCIOLOGY OF HISTORY"JOKYO. 11-7. 185-200 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] HIDEO HAMA: "HOT MUSEUM AND COOL MUSEUM"MITA HYORON. 1028. 29 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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