• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

逸脱行動の統合理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11610176
研究機関京都大学

研究代表者

宝月 誠  京都大学, 文学研究科, 教授 (50079018)

キーワードコントロールの形式 / コントロールの遂行様式 / コントロールの有効性 / 逸脱
研究概要

統合理論の構築課題のうち本年度は主に逸脱のコントロールに関する社会理論の検討を行った。逸脱のコントロールに関する論議は、コントロールの形式、コントロールの遂行様式、コントロールの有効性、コントロールと社会的環境の関係に整理される。本研究が準拠する「社会的世界論」の視点から、既存理論への批判的検討を通じて明らかにされた知見は以下の点である。
1.コントロールの形式は刑罰・補償・治療・和解に加えて保護・改善をあげることができる。人を対象とするものだけでなくて環境への働きかけや、さらに事後的な対応だけでなくて、事前のコントロールも重要である。
2.フォーマルな官僚制機関と日常の人間関係の中で行われるコントロールの遂行様式は同じではない。これまでの研究は前者の組織分析に偏っているが、日常生活でのコントロールを左右するのは、生活者相互の権力関係と信頼関係が重要な位置を占めている。
3.コントロールの有効性の論議はこれまで刑罰などの予防効果や矯正効果、あるいは都市改善計画の地域社会安定化への貢献度などの研究蓄積がある。重要な点はコントロールを切り離して考えるのではなくて、その連関において効果を捉えることである。フォーマルなコントロールは日常生活のコントロールに補完されて初めて効果を発揮できる。
4.時代や社会によって支配的なコントロールの形式が選択されるが、それを左右するのは逸脱によって脅かされる恐れのある人々の危機感と人権などの思想とのせめぎあいである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 宝月誠: "物語的社会学の原点"日本社会学史研究. 22号. 39-48 (2000)

  • [文献書誌] 宝月誠: "シカゴ学派の社会認識"中野正大代表『シカゴ学派の総合研究』科学研究費成果報告書. 27-41 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi