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2000 年度 実績報告書

東アジアにおける内発的発展と地域文化に関する研究-日本社会の歴史的特殊性に着目して-

研究課題

研究課題/領域番号 11610186
研究機関愛媛大学

研究代表者

中村 則弘  愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)

研究分担者 高橋 三郎  京都大学, 総合人間学部, 教授 (80033736)
キーワード内発的発展 / 地境 / 地域文化 / 日本社会 / 東アジア
研究概要

研究打ち合わせ会の開催,聞き取り本調査を行うとともに,関連資料を収集した。
1.内発的発展については,いくつかのタイプがあること,そのなかでも「地境」という歴史的特性をもつ地域での発展状況が注目に値することが明らかとなった。
2.「地境」という特性を明確にもち,かつ内発的発展といえる状況を顕著に示している松山近郊の伊予市において行った本調査から,つぎのことが明らかとなった。それはa)地境は歴史的に支配の空白としての特質をもちがちであること,b)支配の制約から放置されがちであるがゆえにある種のチャレンジ意識をもつ人間を形成しがちなこと,c)この意識をもつ人間が存在し外部条件が満たされたときに内発的発展がみられること,という三点である。あわせて,発展が一定段階に達したのちには,類似業種間での過当な競争を生みがちであり,また地域での勢力対立の調整に困難をきたしがちとなる可能性も明らかにすることができた。
3.伊予市本調査との関連で,他地域の特質も参照してゆくことが最も妥当であると考え,福井市と福井近郊の武生市,鯖江市において関連資料を収集するとともに,若干の聞き取りを行った。また,日本全体に関する資料を収集し,大分・長崎・平戸でも現地資料を収集した。そのなかから,歴史的にみて,大藩と小藩,外様大名支配地と親藩・譜代大名支配地で状況にかなりの相違があることが明らかになった。
4.日本社会の歴史的特殊性との関連では,その封建制において中心性が希薄であったがゆえに,地境のもつアジール的意味が顕著に現れていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中村則弘: "オリエンタリズムをこえて-中国社会にみる私的経営者の可能性-『変動する中国社会-私的経営者層の台頭をめぐって-』"クバプロ(所収). 21 (2000)

  • [文献書誌] 中村則弘: "地域における政治・経済の担い手の価値意識にみる自律性・対抗性『現代中国の構造変動-社会・国家との共棲関係-』"東京大学出版会(所収). 32 (2000)

  • [文献書誌] 中村則弘: "異議申し立てアクターとしての中国の私的経営者と社会階層『アジア社会の構造変動と新中間層の形成』"こうち書房(所収). 24 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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