研究課題/領域番号 |
11610192
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
細谷 昂 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (10005754)
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研究分担者 |
山田 佳奈 岩手県立大学, 総合政策学部, 助手 (90305334)
劉 文静 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (80325927)
佐藤 利明 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (10215816)
徳川 直人 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10227572)
小林 一穂 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20150253)
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キーワード | 「転換期」稲作農業 / 農村社会の変容 / 「転換期」への農民の対応 |
研究概要 |
本研究は上記課題に即し、日本を代表する稲作地域として以下の三地方を選定し、昨年度(平成11年度)に引きつづき各地で実証調査を行った。 1.典型的な稲作地帯である山形県庄内地方においては、(1)今日的な農業情勢の中での今後の集落営農と営農志向に関し、農家に対するインテンシブな聞き取り調査をおこなった。これは、担当者らが10年前・20年前におこなった「営農志向調査」と、比較対照しつつ今日の概況を把握するためのものである。また、(2)農協や産直施設を中心に聞き取り調査を行い、農協運営および農家経営への女性たちの関心が高まりつつあることが分かった。 2.上記(1)と同様の観点から、北海道の代表的な米作地帯である深川市と、北海道の代表的な酪農地帯である別海町において、インテンシブな聴き取り調査をおこなった。結果、いずれの場合においても、今日の「自由競争」の情勢の中、営農の個別化・個性化が見られたが、それがひととびに企業的大経営の追求につながるわけではなく、家族経営の良さが見直されたり、農民的共同の中でそれを追求してゆこうとする志向も強いことが、明らかになった。 3.沖縄県八重山地域では、沖縄農業と農村社会のあり方について実証調査を行った。沖縄県、八重山地方、石垣島の概況を各種資料によって把握すると同時に、石垣市川平集落の事例調査をおこない、その歴史および現状を村史などの資料の分析や稲作農民へのインタビューによって把握した。 昨今の水稲作「転換期」に際し、全国一律の対応策が困難ななかで、個別農家や各地域はそれぞれの諸事情に応じた取り組みを行わざるをえない状況にある。本研究の事例においても、個別農家の独自経営や有志グループ活動といった「個別化」の進展が見られたが、今後はそうした動向にたいする各地方自治体や各単位農協の協力体制いかんが大きな焦点の一つになると考えられる。
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