研究課題/領域番号 |
11610204
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
吉沢 四郎 中央大学, 商学部, 教授 (90055088)
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研究分担者 |
中道 仁美 愛媛大学, 農学部, 助教授 (30254725)
大野 晃 北見工業大学, 工学部, 教授 (00117003)
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キーワード | 地域の不均等発展 / 条件不利地域 / 過疎 / 限界集落 / 環境保全 / 直接所得補償 / 自立・内発的発展 / 住民のエンパワーメント |
研究概要 |
1.本年度は本研究の2年度に当たるため、2つの研究課題を持った。1つは昨年度実施した調査(海外ではEU共通農業政策のもと環境保全型農業を実施してきたスウェーデン、ドイツ、EU加盟を目指して農業政策を実施しているルーマニアにおける過疎の実態、条件不利地域の農業政策と農家の実態、国内では奈良県川上村、高知県大豊町、十和村、愛媛県内子町の過疎の実態と環境保全対策を調査)に加え、海外ではブラジルにおける環境保全農業と熱帯雨林の保全の実態を調査し、国内では昨年の調査地に加え北海道津別町、大分県直川村、宮崎県諸塚村、高知県香我美町、日高村において平成12年より実施した農林水産省の直接支払制度の実施状況を調査した。 2.2つめの課題は、昨年度の調査と本年度の調査結果を分析し、その結果を2つの学会で報告したことである。1つは第10回世界農村社会学会(平成12年8月、ブラジル、リオデジャネイロ)で吉澤・大野・中道が報告した(Rural Development Issues in Less Favored Area:A Comparative Study of Japan and EU Countries)。このなかでわれわれは条件不利地域における集落が再生するためには、住民自身のエンパワーメントとEUにみられる環境保全政策が必須であることを強調した。もう1つは第48回日本村落研究学会(平成12年11月、愛媛県明浜町)で大野・吉澤・中道が報告した(「条件不利地域農業の現状と地域再生への主体形成-日本とルーマニア・スウェーデンの比較研究」)。このなかでわれわれは日本の直接支払制度が対象農家に直接交付金を支払うこと、また農地のもつ国土保全機能に着目した点で評価できるが、集落協定を必要としたこと、また全国一律の適用条件を地域特性から検討すべき問題もあることを明かにした。
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