公私立保育所に勤務する保育者の保育労働は、質・量ともに同質と考えられてはいるが、一般の評価や利用者の印象は異なる部分がある。例えば利用者に対して、親切か否か、保育への取り組みの姿勢が熱心か否か等、保育活動そのものにも影響するであろう内容に及んでいると考え、その要因を解明るための研究を続けている。 平成11年度の、保育現場の保育者の職務内容及び保育業務の分析等の先行研究に引き続き、平成12年度では、調査のための準備及びプリテストを計画し、実施中である(平成13年2月から3月)。調査に先立ち、類似の調査の検証、調査手法の検討、調査仮説の設定、調査項目の検討、調査協力者の選定などを行い、調査票を確定し、福島県内の3保育所及び東京都内の2保育所の保育者100名に対して、試験的な調査を実施している。この試験的な調査は、公私立保育所の保育者の保育労働と保育内容に関する専門性の差異について、納得のいく因子が抽出できるかどうかを見ることを目的としている。この調査の結果、仮説が証明される因子が出ているかどうかの見通しがついたところで、来年度は調査対象を1000名に拡大して、本格的な調査をしたいと考えている。 また、今年度、これからの保育園に期待される保育者のあり方について、保育者としての専門性を修練するだけでなく、他の専門職とも協働できる柔軟さや、開かれた専門性に関しての論文を「福島県保育連絡会」の機関誌に発表した。
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