本研究は、社会福祉開発に関して、社会福祉計画の実証的な調査研究を通して考察することを目的としている。 社会福祉計画は、1989年の社会福祉関連八法の改正によって、地方自治体による老人保健福祉計画の策定が法定化されて以降、障害者福祉計画、児童育成計画などが次々と領域別に法制化され、現在ではさまざまな社会福祉計画が策定されている。 研究の初年度は、そうした社会福祉計画のなかから、民間の社会福祉協議会が策定する「地域福祉活動計画」を研究対象として設定し、調査研究を行った。また、次年度は、地方自治体、特に市区町村が策定する「地域福祉計画」と、2000年4月の「介護保険制度」導入の前に地方自治体が策定した「介護保険事業(支援)計画」及び「老人保健福祉計画」を対象として調査研究を実施した。 本研究は、大別して理論研究(歴史研究を一部含む)と調査研究の2つで構成されており、さらに調査研究に関しては「事例調査」と「統計調査」によって構成されている。なお、統計調査については、他の調査研究(厚生労働省の厚生科学研究など)とリンクさせたため、本研究では主に「事例研究」の方法によって調査研究を行った。 具体的には、東京都という地域にフィールドを限定し、上記の計画に関する資料などを収集・整理・分析し、また必要に応じて地方自治体の計画担当者(planner)に聞き取り(ヒアリング)調査を行った。 なお、本研究の成果は、すでに論文として公表しているので、参照していただきたい。
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