研究課題/領域番号 |
11610215
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
安井 幸次 長野大学, 産業社会学部, 教授 (10133472)
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研究分担者 |
石田 一紀 長野大学, 産業社会学部, 教授 (90298399)
矢嶋 嶺 長野大学, 産業社会学部, 教授 (10288350)
村田 隆一 長野大学, 産業社会学部, 教授 (50257507)
合津 文雄 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (20329460)
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キーワード | 中山間地域 / 高齢者介護 / グリーン・ツーリズム / 介護保険 / 在宅福祉 |
研究概要 |
今年度の研究では、長野県下伊那郡泰阜村を研究対象として、中山間地域の高齢者介護システムの実態の把握と、これまでに形成されてきた高齢者介護システムの介護保険の導入に伴う変容過程の分析を行った。また、中山間地域の活性化ための試みの1つであるグリーン・ツーリズムの事例として飯山市の「なべくら高原・森の家」の活動を取り上げて調査を行った。 まず前者の泰阜村では、行政・診療所・社会福祉協議会が事業と職員の両面から一体化され、保健・医療・福祉の統合的サービスを提供することで、「在宅主義」に徹した高齢者介護システムが形成されていたが、介護保険制度の導入によって、財源の面から職員数の削減が行われ、在宅から施設収容への変化が起こっている。この介護保険制度の下での地域のおける高齢者介護システムの再構築が課題となっている。また、「グリーンウッド遊学センター」を中心とする山村留学生の受け入れなど、都市住民との交流による地域振興の取り組みが行われている。 後者の飯山市では、民宿を中心とした都市住民とのこれまでの交流を基礎として1997年に自然体験を目的とした宿泊施設である「森の家」を設立したが、ここでは地域との結びつきを重視した取り組みが行われている。例えば、宿泊は自炊を基本とし地元の食材を提供する仕組みや、炭焼きにみられるような地域住民の「知恵と技」を生かした自然体験メニューなどがそれである。これらの活動には、地域の高齢者が参与し、都市住民との交流を行っている。
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