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2000 年度 実績報告書

出稼ぎ供給の減少と地域社会の変容に関する研究-秋田県を事例として-

研究課題

研究課題/領域番号 11610230
研究機関秋田桂城短期大学

研究代表者

石川 雅典  秋田桂城短期大学, 地域社会学科, 助教授 (90289752)

研究分担者 渡辺 栄  中部学院大学, 人間福祉学部, 教授 (30062102)
キーワード出稼ぎ / 地域社会 / 雇用 / 秋田
研究概要

最終年度にあたる平成12年度は、昨年度の調査研究過程の中で浮かび上がってきた課題に力点をおいて現地調査と資料収集をすすめるとともに、収集された資料やデータに基づいて学内紀要等に論文投稿を行ってきた。
その調査研究課題のひとつは、前年度の知見にかかわる出稼ぎ需要の変化の問題である。出稼ぎ者の受け入れが多い建設産業では公共投資の縮減によって90年代後半より出稼ぎ需要が低下している。しかしながら、ヒアリング調査を行った中小の建設事業所の事例では、このような潮流がイコール出稼ぎ需要の解消にはつながっていなかった。むしろそこには、雇用形態の多様化がすすむ今日でも、受注の集中する年度後半の(つまり短期的で一時的な)人手の確保が必要とされる時期に、出稼ぎ就労者との既存のつながりやその実績を保持しようとする事業所の経営戦略が見受けられた。反面、秋田県出身の就労者が総体として高齢化していることを理由に、採用の対象・方法を切り替える事業所があることも確認された。相異なるこれら両者の実態は、出稼ぎ需要の今日的変化がかなりの程度で供給側の社会経済構造の変化に関わっていることを推察させる。
もうひとつは、秋田県出身の就労者が総体的に高齢化しているとされる点を、県の就業構造の変化との関連で分析することであった。この作業を出稼ぎ就労者個人や関係機関などにおけるヒアリング調査の成果と接合しながらすすめた結果、出稼ぎ供給の急減と就労者の高齢化は90年代以降に出稼ぎを継続・引退している人たちの集合的特性(担い手の中心が昭和ひとけた世代の農業従事者である点など)として構造的に進展していることが析出された。秋田県における今日の出稼ぎ供給がすべて以上のような範疇におさまるわけではないものの、近年の大きな潮流の背後には世代を超えた家族的農業経営をめぐる問題や県内雇用の確保に力を入れる雇用政策の流れが看取される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 石川雅典: "出稼ぎ需要の変化と特質-秋田県出身の出稼ぎ者を雇用する愛知県の建設事業所におけるヒアリング調査より-"秋田桂城短期大学『紀要』. 第9号. 25-36 (2000)

  • [文献書誌] 石川雅典: "秋田県の出稼ぎ供給と就業構造に関する一考察"秋田桂城短期大学地域総合研究所『研究所報』. 第4号(刊行予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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