今回の科学研究費補助研究の研究成果は、平成12年度の実績報告概要にも集約した、以下の3つの論文作成である。 1.児童館における育児支援について 本稿では1.児童館の地域で果たす役割、2.児童館をめぐる研究や実践動向、3.児童館における試行的実践例を報告した。今後は児童の健全育成支援に向けて、子どものみならず、潜在的な育児不安を持つ親に対する支援の重要性が認識された。さらに充実した親支援プログラムへと発展させる為には、1.具体的で児童館で活用しやすい教材改良2.指導員の資質の向上3.ベビーシッターの確保が必要である。 2.Parentingのオーストラリア.ビクトリア州の動向に関する調査文献翻訳 本文書は、ビクトリア州における現行の親支援のためのアセスメントツールや親支援のスキルを開発していくプログラムのあり方を検証したリサーチペーパーである。ハイリスク(危険性)を持った幼児への親支援のあり方を検討していく先駆的な研究報告である。同時に、現行の親支援のアセスメント側面やParentingスキルアップ等のプログラム内容を評価している論文である。日本において現段階で充実を要する親業プログラム導入や実践検討に関して、多くの示唆を与えてくれる。 3.子育て支援に関連するデータベース紹介 親支援の観点から親にとって身近な検索手段として、インターネット検索の利用に、ひとつの活路を見いだした。子育て支援及び健全育成情報収集では、インターネット媒体が積極的に活用され、情報利用者である親達の生の声を集積している。つまり子育てに関わる親達の現状分析として、インターネット情報のデータベース化は有意義である。限定されているが、今回収集した支援情報を網羅的であるが紹介し、そのホームページの画面等も例示した。
|