過疎地域の交通保障としてみられる方策として、民間バス路線の他、文部科学省所管の車両購入費補助金を背景とする学童生徒輸送のためのスクールバス・厚生労働省所管の車両購入費を背景とする患者輸送(通院)バス・福祉バス・企業病院学校等の送迎バスがある。これらの多くは、所管部局や監督庁を異にしながらも同一自治体当局の経費負担で運行されており、また輸送ニーズの性格上、朝夕などのほぼ同時刻に運行されている。 このようなバスの効率的維持のため、各地域事情のもと多様な取り組みがなされている。 今後の交通保障のありかたとして典型となる可能性のあるものは、概略以下の通り。[ア]シビルミニマムの設定による責任分担方式(例:1日一定便数の運行を自治体責任として補助し、これ以上の運行は事業者による営業として企業努力あるいは減便する)[イ]基本料金の設定による住民負担方式(地区全世帯が毎月X円を回数券購入して負担。高校生はバス通学を前提として定期券を購入。これでも生ずる赤字を自治体が助成。)[ウ]自治会による自主運行方式(1世帯あたりX円の住民負担により自治会が貸切バスにより運行し、運賃収入は自治体が収受する)[エ]機能統合による効率化方式(スクールバスを廃止して代替バスの定期代負担とし、車両人件費等自治体経費を節減の上、事業者の運賃収入として運行の維持をはかる)[オ]路線バスの間合活用による福祉バス運行方式(既存路線バスの運行間合を活用して高齢者通院福祉バスの運行を路線事業者に委託し、実質的な経費補助と交通保障をする)[カ]各種バスを同一事業者へ21条委託する方式(運転業務の一元化をし効率化する)[キ]企業の送迎バスを吸収する方式(企業の従業員送迎バスを廃止して路線バス利用とし、通勤定期運賃を送迎バスの運行経費相当額とする。これにより企業の負担を変えずに従業員・住民双方の利便が確保できる)
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