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1999 年度 実績報告書

社会調査で活用できる自記式精神健康尺度の信頼性と妥当性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610238
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

杉澤 あつ子  国立精神・神経センター, 精神保健研究所・精神保健計画部, 室長 (90211979)

キーワードCES-D / 構成概念妥当性 / スクリーニング / 臨床的判別能力
研究概要

1.研究の目的:
本研究では、米国で開発されたCenter for Epidemiologic Studies-Depression(CES-D)の、日本における妥当性を検討することを目的とした。妥当性は、構成概念妥当性と臨床的な判別能力の2つの視点から検討した。
2.構成概念妥当性の検討
全国20歳以上の住民から層化無作為に抽出された標本に対する訪問面接調査のデータに基づき、米国で確認されている4因子構造(「うつ感情」「ポジティブ感情」「身体症状」「対人関係」)モデルが、日本においてどの程度適合するかを、一次因子および二次因子の確証的因子分析によって検討した。分析の結果、日本においても一次因子、二次因子のいずれもモデルの適合度が高いこと、しかし、米国と異なり、ポジティブ感情についてはうつ症状を構成する症状とは独立であることがわかった。以上の結果から、日本でCES-Dを適用する場合には、ポジティブ感情を除いた得点を使用すべきであることが示唆された。
3.臨床的判別能力の検討
臨床的にうつであると診断された群と臨床的にはうつでない群を対象に、CES-Dによってどの程度正確にうつ患者をスクリーニングできるかを、敏感度と特異度の2つの指標に基づき検討した。分析の結果、米国で使用されている臨床的判別得点である18点よりも16点の方が、敏感度を維持しつつ、特異度が高いことが示された。これは、日本では米国と異なってポジティブ感情(逆転項目)がうつ症状に貢献していないという構成概念妥当性の結果を支持するものであった。以上から、日本においては、CES-Dをうつのスクリーニングに使用しようとする場合には、判別得点は16点とすることが望ましいことが示唆された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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