研究概要 |
本研究は、小・中学校教師のライフコースと専門的力量の発達について解明することを目的としている。そのために、次の3つの点に着目して調査を行っている。すなわち、a)どのような種類の出来事が、教師のライフコース上における転機を引き起こしがちであるのか、b)人生において、どのような時期・時機に転機あらわれるのか、c)どのような境遇・状況において、転機が生まれやすいのか、という点である。 それらを調査するために、質問紙調査とインタビュー調査の2つの調査方法を用いた。結論として、次の2つの点が重要であると考える。 (1)教師の発達は、"垂直的な(vertical)""発達ではなく、"水平的な、ないしはオルターナティプな(horizontal, or alternative)"発達であること。 (2)教師の専門的な力量は、"脱文脈的・脱状況的な(de-contextualty)"力量ではなく、"文脈・状況依存的な(indexicality)"力量であること。 したがって、これまでの教師の専門的な発達観と力量観からの転換が必要とされているのである。
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