本研究は、1950年代から1970年代初頭にかけての国会会議録を資料として、国会での高等教育関連の審議状況を整理し、その内容分析をおこなうことを目的とするものである。本研究でおこなう作業は、(1)高等教育にかかわる内容をもつ国会会議録の収集と整理・データベース化および(2)そこでの審議内容の内容分析であるが、今年度は昨年度から継続しておこなってきた上述(1)の作業をほぼ終了させた。具体的には、1950年〜75年の衆議院・参議院の両議院会議録から高等教育関連の審議部分を検索し、複写をおこなった。さらに複写した資料をもとに、議会の回次、委員会名、年月日、審議件名を入力したデータベースを作成し、収集した資料の効果的・効率的な利用を可能にするための作業もおこなった。加えて、国会審議の社会的な機能を知る上で貴重な材料となると思われる、国会に提出された高等教育関連の「請願」のデータベースの作成作業も継続し、議会の回次、件名、紹介議員名と会派についての入力を終了した。なお、一部の「請願」の内容や提出者については国会会議録に掲載がないため、国会図書館所蔵の資料をもとに調査を継続中である。また以上の作業と平行して、高等教育史、政治史等の先行研究の批判的な分析にも着手している。次年度においては、一部残ったデータベース作成作業を完成させるとともに、資料の読み込みを本格的に開始し、最終報告書の作成をめざしたい。
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