研究課題/領域番号 |
11610264
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高見 茂 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60206878)
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研究分担者 |
湊 敏 奈良大学, 教養部・情報処理センター, 教授・センター長 (40181945)
白石 裕 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50025110)
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キーワード | 地方公社 / 教育公社 / シビル アメニティ / 減量経営 / 機能拡大 / 情報公開 / 経営・財務分析 / 天下り人事 |
研究概要 |
本年度の研究は、前年度のヒアリング、アンケート調査を基に分析作業を実施した。われわれは、「教育公社」を一般教育公社と特殊教育公社に類別し、前者の類型として「(狭義の)教育公社」、「学校経営準備公社」、「土地開発公社」、「その他の教育公社」を、また後者の類型として「国際交流公社」、「学校経営公社」を位置づけた。そして「教育公社」の設置状況を数量化理論III類を用いて時系列的に分析したところ、その事業内容は、社会・経済環境の変化に柔軟に対応するための主体として設置されている状況が看取された。すなわち生活水準の向上に伴って、基礎的な教育条件整備事業から、スポーツ・余暇等の選択的教育ニーズへと変化して行ったのである。したがって、「教育公社」は、いわゆる中間所得層にとっては魅力的な「シビルアメニティ」を確保するための主体として機能していたのである。また「教育公社」設置のねらい・目的は、i)行政業務代行による現行教育行財政制度・組織の制約の克服(減量経営)と、ii)新しい教育行政ニーズへの対応(機能拡大)の何れかに類型化されると考えていた。しかし調査結果によると、何れも両方の側面をもつことが判明した。さらに「教育公社」の意思決定状況を検討したところ、公社内部で自主決定する場合と外部の監理部局との調整を必要とする場合があった。幹部職員の人事は、自治体幹部職員の天下り人事である場合が最も多く見られた。そして経営情報の公開、経営分析・財務診断については、後者の方に重点が置かれているようであった。収入構造について見てみると、財産運用による自己資金および自治体本体からの受託がメイン収入源であり、公社によっては、補助金、会費収入に依存度の高い場合もある。わが国の教育行政システムの改編に伴う守備範囲の縮小は、成熟した「シビルアメニティ」提供主体としての「教育公社」の存在意義を益々重要なものにするとの結論を得た。
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