本研究の目的は、2002年度に新設される「総合的な学習の時間」の実践的指導力を育成する教師教育カリキュラムを開発するための基礎的研究の一環として、アメリカの教師教育において総合学習の実践的指導力の育成のために開発され実践されている教師教育プログラムの内容と方法の基本的特質を解明することである。 3カ年の研究期間の3年目に当たる平成13年度は、アメリカの総合学習の実践的指導力の育成を目指す教師教育プログラムのうち、特に教育実習に焦点を当て基本的特質を明らかにすることを目指し、総合学習に関して注目すべき教育実習を行っているルイス・アンド・クラーク大学教育大学院における教育実習の基本的特質を検討し、次のことを明らかにした。 第1に、この教育実習が大学院で実施されていることである。 第2に、「現実世界の問題解決」を目指した総合学習の単元開発を実習生に経験させ、実践的指導力の育成を目指していることである。 第3に、単元を開発する際に、学校が属する地域社会の難問をテーマに取り上げていることである。 第4に、開発した単兀を実際に実施していることである。 第5に、教育実習が14ヶ月にわたって長期間実施されることである。 第6に、教育実習と大学院の授業が同時並行で進み、理論と実践の有機的な接続が図られていることである。 第7に、大学院と実習校との緊密な関係があることである。
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