本研究は、平成11年度から平成13年度にかけて実施した。その目的は、アメリカの教師教育において総合学習の実践的指導力の育成のために開発され実践されている教師教育プログラムの内容と方法の基本的特質を解明することである。この研究は、「総合的な学習の時間」の実践的指導力を育成する教師教育カリキュラムを開発するための基礎的研究の一環として位置付く。 平成11年度は、アメリカの初等・中等教育における総合学習を検討した。そして言語をベースにした総合学習が大きな特徴であることを明らかにした。 平成12年度は、アメリカ教師教育における総合学習関連科目のプログラムの分析として、インディアナ大学教育大学院のある授業の分析を行った。そして言語をベースにしている、インターネットを活用した遠隔教育である等の特質を明らかにした。 平成13年度は、アメリカ教師教育における総合学習関連科目のプログラムの分析として、特に教育実習に焦点を当てた。総合学習に関して注目すべき教育実習を行っているルイス・アンド・クラーク大学教育大学院における教育実習の基本的特質を検討した。その結果、この教育実習が大学院で実施されていること、「現実世界の問題解決」を目指した総合学習の単元開発を実習生に経験させていること、開発した単元を実際に実施していること、教育実習が14ヶ月にわたって長期間実施されること等、質・量共に極めて充実した内容であることを明らかにした。 3年間の研究成果は、研究成果報告書にまとめ公開した。
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