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2000 年度 実績報告書

最重度聴覚障害児の聴能の発達に及ぼすコミュニケーションモードの違いによる影響

研究課題

研究課題/領域番号 11610271
研究機関愛媛大学

研究代表者

立入 哉  愛媛大学, 教育学部, 助教授 (90294777)

キーワード最重度難聴 / 聴能の発達 / 人工内耳 / コミュニケーションモード / 手話 / 聴能
研究概要

昨年度に引き続きコミュニケーションモードの評価と話しことばの習得状態について言語習得途上のろうの幼児の数を増やし、新たに3名の言語習得前の2歳児を加えた。今年度は、これらの子ども達のビデオ収集を中心に研究を進めた。ビデオ分析の結果から見ると、コミュニケーションモードは、音声言語がない段階では、手指により、概念の形成の先行が認められ、手指で発信し始めることが確認された。これは、人工内耳植え込み当初においても同様であり、今後の検討課題である。しかし、その後、次第に音声が多くなり、音声と手指の併用期に入ることがわかった。その際、手指に重点をおくと、音声が極端に少なくなり、手指のみになる場面が多くあった。しかし、係わり手が音声を要求したり、音声と併用した場合には、音声による発話が次第に多くなってきた。このように、相手によってコミュニケーションモードを使い分け始めることがわかった。
また、話しことばの習得に必要な周波数帯域が人工内耳等によりたとえ1/3程度であっても補償される始めると、発話量が増加し、表出できる音素が増えてき、それは、かなり曖昧な周波数分解能であっても.音声再生やイントネーションを伴った発話が有意に増加することがわかった。こうしたことから、発話行動は、手指の併用によって妨げられるものではなく、話しことばのシステムが確立していない時には、手指により意味概念の伝達がなされ、相互補完的に作用していることが再確認できた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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