近年、わが国の教育現場では、校内暴力、いじめ、登校拒否等の問題行動が顕著にみられる。こうした問題行動に取り組み、解決していくことができる教師の実践的な対処行動が求められている。この対処行動の在り方を検討する中で、近年の少子化現象に伴う教員採用数の減少傾向の中で、教員の年齢構成の高齢化現象が各県で進行している現状がみられる。ところで、この教員の年齢構成の高齢化現象が、教師集団の子どもの問題行動への取り組みに多大の影響を与えているのではないかという問題意識を持つに至った。本研究では、子どもの問題行動に対する教師の対処行動の性格や在り方を規定していると考えられる、教師と子どもの関係に教員の年齢構成の高齢化によってどのような問題がもたらされているのか、また、今後もたらされてくるのかという問題を検討する。 平成12年度は、平成11年度に実施した校長調査(西日本の8県)の統計的な分析を進めて、日本教育社会学会(北海道大学)と日本教育経営学会関西地区研究会で報告を行った。そして、関西学院大学教職教育研究センター編『教職教育研究』(第6号)に報告した。同時に、1つは、平成12年度の調査の趣旨を引き継いだ小・中学校の教務主任を対象にした高齢化の影響調査、もう1つは、教員集団内における年功序列的な行動基準に焦点を当てて高齢化の影響をみようとした公立高等学校の校長を対象とした高齢化の影響調査を実施した。平成13年度には、学会発表および論文発表を予定している。
|