1、電機産業の生産工程と労働 電機産業では膨大な生産品にのぼるため、事業部門別の組織体制がとられている。従って、自動化率は事業部門毎に、製品毎に、工程毎に千差万別で、一概に規定することはできない。多くの現場製造ラインでは自動化、無人化が進展している一方で、自動化ラインを作り出す仕事、設備をつくる仕事が重要視されている。今ひとつは自動化ラインの設備改善調整を行う業務が広範囲に拡大していることである。 2、電機産業のテクニシャン養成と教育内容 まず第一に、入学資格についてはM電器短大の場合、「職場経験1年以上の高卒社員」となっているように、新規高卒者はいない。M電工短大の場合、規定上経験者でも条件を満たせば入学は可能であるが、入校者は新規高卒者ばかりであった。第二に、(1)教育課程と教育内容についてはいずれの短大においても機械系、電気・電子系、情報系の3つ領域から内容が構成されていることである。(2)時間数が3400〜3600時間という長時間にわたる訓練が行われており、学科と実技の比率をみるとほぼ1:1になっているように実技のウエイトがかなり高いといえる。第三に、現場のニーズを取り入れた400時間にもおよぶ課題研究がいわゆる2年間の集大成として組み込まれていることである。 3、企業内短大修了後の職場配置と処遇 M電器短大では生産技術に33%、製造直接に31%、製造間接に19%、工場技術に5%の割合で配属されている。処遇はあくまで技能職としての位置である。
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