研究課題/領域番号 |
11610277
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
野元 弘幸 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70261873)
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研究分担者 |
青木 直子 大阪大学, 文学部, 助教授 (20184038)
大串 隆吉 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70086932)
新海 英行 名古屋大学, 教育学部, 教授 (00036055)
衣川 隆生 筑波大学, 留学生センター, 講師 (30282289)
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キーワード | 外国人住民 / 外国人集住地域 / 日本語教育 / 識字 / 読み書き能力 / 文字習得 / 多文化社会 / 社会教育 |
研究概要 |
本年度は、(1)読み書き能力に関する本調査の完了、(2)調査結果の分析、(3)日本語教育プログラムの開発・検討の3つを行う計画であった。平成12年11月より、アンケートの配布と回収、およびその後の面接調査を実施してきたが、平成13年11月末で完了し、711名のデータをとることができた。アンケートおよび書字の調査には569名、読みの面接調査には487名の協力が得られた。目標数は1000名であったが、調査協力者の不安定な就労形態や不況による就労状況の悪化など、予想されなかった困難が生じ、目標数には至らなかった。ただし、統計上は問題はないと考える。 (2)の調査結果の分析は、現在進行中で、約60%の外国人住民が、ひらがなやカタカナで自分の名前を書けないという実態が明らかになりつつある。また、漢字は読めないが、ひらがなやカタカナは少し読めるという外国人住民は全体の約4分の3にのぼっており、ひらがなやカタカナの学習の充実を通してのコミュニケーション力の向上の可能性を示唆している。 (3)の日本語教育プログラムの開発については、野元が開発した「課題提起型日本語教育」プログラムに統合する形でのプログラム開発に取り組んでいる。地域の生活実態から出発する日本語読み書き能力の習得をめざす興味深い中身となっている。本年4月から、調査実施地域で行われる日本語教室で、試行的プログラムを実施する予定となっている。
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